TECHNICAL JOURNAL

その天井、不燃にしないといけないかもしれません|内装制限がかかる部屋と、不燃・準不燃・難燃の違い

店舗の天井・壁と、テーブルに並べた仕上げ材サンプルのイメージ

天井・壁の仕上げを検討する店舗空間のイメージ(AI生成)。写っている材料の不燃認定や法令適合を示すものではありません。

「このお店の天井、ふつうの化粧合板でいいですよね」

内装の打ち合わせで、こう聞かれることがあります。答えは「部屋によります」です。建物には内装制限という決まりがあり、対象になる部屋では、壁と天井の仕上げを燃えにくい材料にしなければなりません。見た目で選んだ仕上げが使えないこともあり、気づくのが遅いほどやり直しの手間が大きくなります。

この記事では、内装制限がどんな部屋にかかるのか、不燃・準不燃・難燃は何が違うのか、図面の仕上表に何を書けばよいのかを、現場で間違えやすいところから整理します。

内装制限は「壁と天井」の仕上げの決まりです

内装制限は、火事が起きたときに炎が内装を伝って一気に広がるのを防ぎ、避難する時間を確保するための決まりです(建築基準法 第35条の2、施行令 第128条の3の2〜第128条の5)。要点は3つです。

どんな建物・部屋にかかるのか

おおまかには、次のような建物・部屋が対象です。

対象内容の例
特殊建築物劇場、病院、ホテル、共同住宅、飲食店、物販店など。用途ごとに、階や床面積の条件があります
大規模な建築物階数が3以上で延べ面積500㎡を超えるものなど
火気を使う部屋住宅のキッチンなど、こんろや火を使う室(2階建て以上の住宅では、最上階にあるものは除かれます)
窓のない居室排煙や採光の開口が足りない居室
自動車車庫・自動車修理工場規模にかかわらず対象になります

飲食店や物販店は、条件によっては小さな店でも対象になります。「小さい店だから関係ない」とは限りません。計画の早い段階で、設計者や確認検査機関、所管の行政窓口に確かめておくのが確実です。

そのうえで、求められる区分はおおむね次のとおりです。

建築基準法では、居室の床から1.2m以下の壁は内装制限の対象から除かれます。ただし通路には、この扱いはありません。また、消防法の基準(スプリンクラーなどの設置を緩める条件としての内装制限)では、1.2m以下の部分も対象になると扱う自治体があります。「腰壁だから大丈夫」と決めつけないでください。

不燃・準不燃・難燃は「燃えにくさの時間」の違いです

3つの区分は、火にあてたときに燃え広がらない時間で分かれています。

区分燃えにくさの時間材料の例(告示で定めるもの)
不燃材料20分コンクリート、モルタル、れんが、瓦、ガラス、金属板、厚さ12mm以上の石膏ボード
準不燃材料10分厚さ9mm以上の石膏ボード、厚さ15mm以上の木毛セメント板
難燃材料5分厚さ5.5mm以上の難燃合板、厚さ7mm以上の石膏ボード

不燃がいちばん厳しく、難燃がいちばんゆるい区分です。上の区分の材料は、下の区分としても使えます(不燃材料は、準不燃としても難燃としても使えます)。石膏ボードは、表面の紙の厚さなどにも条件があります。

木の見た目にしたい場合は、国土交通大臣の認定を受けた不燃の化粧板や不燃木材を選びます。カタログに書かれている認定番号の頭の文字で区分が分かります(不燃=NM、準不燃=QM、難燃=RM)。

図面には何を書くか

内装制限は、仕上表と展開図・断面詳細図で伝えます。

いちばん見落とされるのが、下地と組み合わせて認定を受けている材料があることです。壁紙などは、決められた下地に貼ったときだけ準不燃や不燃として扱われるものがあります。下地を変えた、ボードの厚さを変えたという小さな変更で、前提が崩れることがあります。

私達の現場から

私達の現場でも多いのが、打ち合わせの途中で仕上げが変わるケースです。「天井の一部だけ木目にしたい」という話が出たとき、その部屋が内装制限の対象かどうかをその場で答えられると、話がずいぶん早く進みます。

そのため、仕上表には区分だけでなく認定番号まで書いておくようにしています。番号があれば、色違いへの変更や別シリーズへの変更で区分が変わるかを、メーカーに確かめるだけで済みます。もう1つは、現場で下地が変わったら、仕上表の前提も変わっていないかを必ず見直すことです。

「この部屋は内装制限にかかるのか」「仕上表をどう書けばよいか」といった図面の困りごとも、お気軽にご相談ください。

まとめ

参考リンク


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