TECHNICAL JOURNAL

家具図面の材料欄、「メラミン」だけで止めていませんか|メラミン・ポリ合板・突板の違いと書き方

「天板はメラミン、と書いてあったので、そのとおりに製作したのですが……」

家具の材料をめぐる行き違いは、たいていこの一言から始まります。「メラミン」とだけ書かれた家具図面では、厚い高圧メラミン化粧板なのか、芯材に最初から貼ってある低圧メラミン化粧板なのかが分かりません。見た目は似ていても、強さも値段も、小口(板の切り口)の納まりも違います。

この記事では、家具図面の材料欄(仕様表)でよく使う表面材――メラミン化粧板・ポリエステル化粧合板・オレフィンシート・突板――の違いと、図面に書くときに押さえておきたいことを、実務の目線でまとめます。家具図面に描く内容全体は家具図面の作成(製作図・施工図)のページで解説しています。

家具の板は「芯材」と「表面材」でできている

造作家具の板の多くは、芯材(合板・パーティクルボード・MDFなど)の表と裏に、表面材を貼ってつくります。材料欄に書くのは、この2つの組み合わせです。

表面材だけ書いて芯材を書かない、小口の処理を書かない、というのが材料欄でいちばん多い抜けです。

よく使う4つの表面材の違い

表面材特長主な使いどころ
高圧メラミン化粧板表面がとても硬く、傷・熱・汚れに強い。厚さは1 mm前後の板で、芯材に貼って使うカウンター・天板・よく触る扉
低圧メラミン化粧板芯材(パーティクルボードなど)に最初から化粧紙を熱圧着したもの。高圧よりは弱いが、手ごろで色数も多い本体・棚板・側板など
ポリエステル化粧合板合板に化粧紙を貼り、ポリエステル樹脂で仕上げたもの。コストを抑えやすいが、傷・熱・水はメラミンに及ばない扉の内側・収納の内部など、あまり触れない面
オレフィンシート樹脂のシート。曲げに強く、扉の縁まで巻き込んで貼れる扉・引出しの前板
突板(つきいた)天然の木を0.2〜0.3 mmほどに薄くスライスして貼ったもの。本物の木目だが、1枚ごとに色や木目が違う見せ場の扉・カウンター・壁面

同じ家具の中でも、よく触る天板は高圧メラミン、本体は低圧メラミン、内部はポリ合板のように使い分けるのが普通です。材料欄も、部位ごとに分けて書きます。

材料欄に書くこと

部位(天板・扉・本体・棚板・背板・フィラーなど)ごとに、次の項目をそろえて書きます。

  1. 表面材の種類(高圧か低圧かまで。「メラミン」だけで止めない)
  2. メーカーと品番(色番)、木目がある柄なら木目の方向(縦・横)
  3. 芯材と板厚(仕上がりの厚さ)
  4. 小口の処理(テープ貼り・同材貼り・無垢材・面の形)
  5. 突板なら樹種・貼り方・塗装(つや・色)

縦長の収納家具の家具図面の作図例。右上の仕様表に、扉はオレフィンシート、本体・側板は低圧メラミン化粧板など部位ごとの材料が書かれている

上は、私達が作成した収納家具の家具図面の例です(一部を伏せています)。右上の仕様表に、扉・取手・本体・側板・フィラー・支輪・台輪・金物と部位を分けて、表面材と品番を書いています。こうして表にしておくと、製作会社も現場も、どこに何を使うのかを1か所で確かめられます。

書き方で起きやすい失敗

最後の項目は、家具と建具の図面を別々の人が描いていると起きやすい行き違いです。建具とそろえたい場合は、木製建具図面と一緒に検討すると確実です。

私達の現場でも気をつけていること

私達の現場でも、材料で迷うのは、設計図の仕上表に「メラミン化粧板」「化粧合板」のように種類だけが書かれているときです。そのまま描くと、製作会社がそれぞれの判断で材料を選ぶことになり、見積と仕上がりがずれてしまいます。

そこで、作図の前に次の3点を質疑で確かめてから、材料欄を埋めるようにしています。

どれも、決めてから描けば費用はかかりません。描いてから直すと、図面も見積も二度手間になります。

まとめ

壁面パネルや見切りなど、家具のまわりの仕上げとあわせて決めたいときは造作図面もご覧ください。材料欄まで漏れなく整理した家具図面の作成は、こちらからご相談ください。

参考リンク


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