TECHNICAL JOURNAL

造作図面で間接照明ボックスを描くときの寸法|幕板の高さと「器具が見える・光がムラになる」を防ぐ断面の決め方

「間接照明を付けたのに、座ると器具が丸見えなんです」「天井の光が、まだらに途切れて見える」

間接照明ボックスまわりの手直しは、たいていこうした声から始まります。原因をたどると、ほとんどが造作図面の断面で、照明器具の寸法と光の出方を確かめないまま形を決めてしまったことにあります。間接照明は、器具そのものより器具を隠す「箱」の寸法で見え方が決まります。

この記事では、造作図面で間接照明ボックス(下がり天井や壁ぎわの照明の入る部分)を描くときに、断面で決めておきたい寸法と、実務での確認のコツをまとめます。造作図面に描く内容全体は造作図面の作成(施工図・製作図)のページで解説しています。

まず形を決める:天井を照らすか、壁を照らすか

間接照明ボックスは、大きく2つの形に分かれます。

どちらにするかで、断面の向きも、隠すための板(幕板・垂れ壁)の位置も変わります。設計図に「間接照明」とだけ書かれているときは、どの面を照らしたいのかを最初に確かめます。

断面で決める寸法は4つ

造作図面の断面詳細図では、少なくとも次の4つを数字で決めます。

  1. 幕板の高さ:器具の高さより高くして、器具が見えないようにする
  2. 器具と幕板・壁とのあき:器具を入れる・交換するための余裕
  3. 器具から照らす面までの距離:近すぎると光が伸びず、ムラになりやすい
  4. 開口の幅:光の出口。狭すぎると暗く、広すぎると中が見える

具体的な数字は器具ごとに違います。たとえばパナソニックの住宅用間接照明(HomeArchi ラインライト)では、コーブ照明の最小取付寸法として、器具の左右に各10mm、幕板の高さ60mm、器具の両端に100mmが示されています。コーニス照明では開口50mm・垂れ壁の高さ60mmが目安で、垂れ壁を60mmより高くするときは開口を80mm以上にする、といった条件も付いています。必ず採用する器具の施工説明書の寸法で描くのが基本です。

コーブ照明の断面の考え方。幕板の高さ、器具と幕板・壁のあき、天井までの距離、目線から器具が隠れるかを示した図

「目線」を断面に引いて、器具が隠れるか確かめる

幕板の高さが器具の高さより高くても、見る位置によっては器具が見えてしまうことがあります。とくに、吹抜けや中2階、階段の途中など、ボックスより高い位置や離れた位置から見上げる場所では要注意です。

私達は、断面詳細図にいちばん厳しい立ち位置からの目線を1本引いて、幕板の天端(上の端)より下に器具が隠れるかを確かめています。ソファやベッドから見上げる部屋なら、座った目線・寝た目線も引きます。図面の上で線を1本引くだけですが、現場での「器具が丸見え」はこれでほとんど防げます。

見落としやすい3つの取合い

カーテンボックスと一体にする場合は、カーテンレールの寸法と照明のあきの両方が入るかを、建具やサッシとの取合いも含めて確認します。

現場であった失敗と、確認のコツ

私達の現場でも、こんな手直しを見てきました。

確認のコツは、①器具の品番と施工説明書を先にもらう、②断面詳細図(1/5〜1/2)で器具を実寸で入れて描く、③目線を引く、④電源と点検の位置を描くの4つです。照明器具は電気工事、ボックスは内装工事と担当が分かれることが多いので、どこまでを誰がつくるかも図面上で分けておきます。

まとめ

家具や棚に照明を仕込む場合は家具図面のページもあわせてご覧ください。間接照明ボックスを含む造作図面の作成は、こちらからご相談ください。

参考リンク


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