TECHNICAL JOURNAL

家具図面で引出しのスライドレールをどう描くか|側面取付・底付けと、レール長さ・すき間・引出し寸法の決め方

「引出しの箱、本体の内法いっぱいで描いたら入らないと言われました」「スライドレールの長さは、どこを測って決めればいいですか」

引出しは、家具の中でも寸法の決め方に決まりごとが多い部分です。とくにスライドレールは、引出しの箱と本体の間に入る金物なので、レールの種類が決まらないと箱の幅も奥行きも決められません。家具図面全体の描き方は家具図面の作成(製作図・施工図)でまとめています。この記事では、引出しのスライドレールを図面にどう描くか、レール長さ・すき間・引出しの寸法の決め方に絞ってお話しします。

スライドレールの種類で、引出しの描き方が変わる

種類特徴図面で気をつけること
側面取付(ボールベアリング)引出しの左右の側板に付ける、いちばん一般的なレール。3段引き(全部引き出せる)と2段引き(奥が少し残る)がある左右にレールの厚み分のすき間を取る。引出しを開けると横からレールが見える
底付け(アンダーマウント)引出しの底の下に隠れるレール。開けてもレールが見えず、静かに閉まる製品が多い引出しの側板の厚み・底板の位置・後ろの切り欠きをメーカーの指定どおりに描く
ローラー式簡易で安価。全部は引き出せないものが多い奥の物が取り出しにくい。用途を確かめて使う

どの種類を使うかで、引出しの箱の作り方そのものが変わります。図面を描き始める前に、レールの種類と品番の候補を決めておくのが近道です。

決める3つの寸法

1. すき間(引出しの箱の外幅)

側面取付のレールでは、本体の内法と引出しの箱の外幅の差が、左右のレールの厚みになります。一般的なボールベアリングのレールは片側12.7mm前後が基準で、メーカーによっては「左右のすき間を12.5〜14mmの範囲で」のように幅を持たせた指定があります。

底付けのレールは考え方が違い、本体の内法から引出しの内幅を求める計算式がメーカーの技術資料に載っています。側板の厚みも決まった範囲でしか使えないので、製品の資料を見ながら描きます。

2. レール長さ(呼び寸法)

レールの長さは、250・300・350・400・450mm…と50mm刻みで用意されている製品が多く、本体の内側の奥行きから選びます。注意したいのは、内側の奥行きは「本体の奥行き」そのものではないことです。

これらを差し引いた奥行きに納まる一番長いレールを選び、引出しの箱の奥行きもそれに合わせます。

3. 耐荷重と引き出す量

書類・食器・工具など、中に入れる物の重さで耐荷重を選びます。奥まで使う引出しなら3段引き、奥行きの浅い小物入れなら2段引きでも足りることがあります。

ビュッフェ台の家具図面。仕様欄に「スライドレール L=450」、下段平断面図に引出しと開き扉の部分の寸法が描かれている

図面に書くこと

引出しの上に開き扉があるときは、扉の丁番や取っ手と引出しの前板が当たらないかも同じ図で確かめます(扉の丁番の描き方は家具図面でスライド丁番をどう描くかで紹介しています)。

よくある失敗

私達の現場でも、引出しの図面では「本体の内法」「レールのすき間」「箱の外幅」を必ず別々の寸法で描くようにしています。1本の寸法にまとめてしまうと、製作のときにどこを基準にしたのかが分からなくなるからです。壁や窓まわりに作り付ける引出し収納では、造作図面や建具図面との取り合いもあわせて確かめます。

まとめ

引出しや収納家具の家具図面の作成はこちらからご相談ください。

参考リンク


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