「カーテンボックスの奥行き、いくつで描けばいいですか」「施主さんが電動カーテンにしたいと言い出して、ボックスに入らないと言われました」
カーテンボックスは、窓の上にカーテンレールを隠すための箱です。小さな部材ですが、サッシ・額縁・天井・照明と取り合う場所にあるため、寸法を決めずに描き進めると、現場で「レールが入らない」「カーテンが窓にこすれる」といった手戻りになります。造作図面全体の描き方は造作図面の作成(製作図・施工図)でまとめています。この記事では、カーテンボックスの寸法の決め方に絞ってお話しします。
カーテンボックスで決める4つの寸法
| 寸法 | 何で決まるか | よくある目安 |
|---|---|---|
| 奥行き(内法) | レールの本数(シングル・ダブル)、カーテンのひだの厚み、電動かどうか | シングルで100mm以上、ダブルで150mm以上 |
| 幅(長さ) | 窓の幅に、カーテンを寄せたときの「たまり」を左右に足す | 窓枠より左右に伸ばす。伸ばす量はカーテンの厚みと開け方で決める |
| 高さ(幕板の下がり) | レールとランナー(フック)が見えない高さ、サッシ上端との関係 | レールを隠しきれる高さ。天井高・サッシ高さとあわせて断面で決める |
| 取付け方 | 天井から吊るか、壁に付けるか、天井を下げて埋め込むか | 下地の位置とセットで決める |
奥行きの目安は、カーテンメーカーの案内でも「ダブルレールで最低15cm、シングルレールで最低10cm」とされています。新築の住宅やマンションでは、有効奥行き150mmを標準にしていることが多い寸法です。
奥行きは「レールの本数」と「電動かどうか」で変わる
150mmあれば、ふつうのダブルレール(レースとドレープ)はたいてい納まります。注意したいのは次の3つです。
- 電動カーテン:モーターの厚みや、両開きで交差するランナーの張り出しがあり、従来の電動ダブルレールは180〜230mm程度の奥行きが要るとされています。最近は150mmのボックスにダブルで付けられる製品も出ていますが、条件付きです
- ブラインド・ロールスクリーンとの併用:本体の奥行きと、操作コードの位置を確かめます
- ひだの多い厚手のカーテン:レールだけでなく、たたんだカーテンの厚みも見込みます
「将来は電動にするかもしれない」という話が少しでも出ていたら、図面の段階で奥行きを決め直すのが確実です。ボックスができてからでは、天井ごとやり直しになります。

上の図は、私達が描いた額縁とカーテンボックスの基本断面図の例です。ボックスの内法150mm・外寸180mmを断面で決め、ボックスの長さは「平面詳細図に依る」として平面図側で指定しています。
サッシ・額縁・天井との取り合いを断面で確かめる
カーテンボックスは、断面図を1枚描くと問題が見えてきます。確かめたいのは次のところです。
- サッシ上端・額縁との関係:ボックスの下端がサッシの上枠より下がりすぎると、窓の開け閉めやガラス面の見え方に影響します。額縁の見込みとボックスの奥行きの関係も、ここでそろえます(額縁・サッシまわりは建具図面とあわせて確認します)
- 窓からカーテンまでの距離:レールが窓に近すぎると、カーテンがクレセント(鍵)やハンドルにこすれます
- 天井との関係:天井を下げてボックスを埋め込むのか、天井から下がった箱にするのか。ダウンライトや間接照明、エアコンの位置とぶつからないか
- 取付けの下地:レールのブラケットを留める位置に、合板などの下地が入っているか。天井付けなら野縁の位置、正面付けなら壁の下地を図面に描いておきます
平面図で決める「幅」と「たまり」
ボックスの幅は、窓の幅だけで決めると、開けたカーテンが窓にかぶって光が入らない・外が見えない状態になります。カーテンを寄せたときの厚み(たまり)が窓の外に逃げるよう、窓枠より左右に伸ばすのが基本です。
- 壁の端まで伸ばすのか、窓の左右に一定の寸法だけ伸ばすのかを決める
- 隣に家具や建具があるときは、開けたカーテンが当たらないかを平面図で確かめる(窓際に造作家具がある場合は家具図面側の寸法と合わせます)
- ボックスの端の処理(壁まで突き当てるか、小口を見せるか)と仕上げ
私達の現場から — よくある失敗
私達の現場でも、カーテンボックスでの手戻りは「寸法そのもの」より「決める順番」で起きることがほとんどです。
- 電動カーテンが後から決まった:ボックスの奥行きが足りず、レールの機種を変えるか、ボックスを作り直すことに
- 天井付けのつもりが、下地が無かった:天井の野縁の位置とブラケットの位置がずれていて、追加で下地を入れることに
- ボックスの下端がサッシの上枠にかぶった:天井高を下げた部屋で、断面を描かずに標準の寸法で進めてしまった
- ダウンライトとぶつかった:照明の配置図とボックスの位置を重ねていなかった
防ぐコツは、カーテン・ブラインドの種類と電動の有無を先に決めてもらい、窓ごとに断面を1枚描くことです。マンションのように同じ窓が続く場合は、窓のタイプごとに基本断面図をつくり、長さは平面詳細図で指定すると、図面の数を増やさずに済みます。
まとめ
- カーテンボックスで決めるのは奥行き・幅・高さ・取付け方の4つ
- 奥行きの目安はシングル100mm以上・ダブル150mm以上。電動やブラインド併用ならもっと要ることがある
- サッシ上端・額縁・天井・照明・下地との取り合いは、窓ごとの断面図で確かめる
- 幅は、開けたカーテンのたまりが窓にかからないよう左右に伸ばす
- カーテンの種類と電動の有無を先に決めてもらうのが、いちばんの手戻り防止
カーテンボックスや額縁、天井まわりの造作図面の作成はこちらからご相談ください。
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