住宅の補助金、2026年は名前が変わりました

「子育てグリーン住宅支援事業を使いたいのですが、まだ間に合いますか」

この夏、こういうお問い合わせを続けていただきました。お気持ちはよく分かります。昨年いちばん名前が知られた住宅の補助金でした。

ただ、2026年(令和8年)は、この名前の事業はもう受け付けていません。中身を引き継いだ事業が別の名前で動いていて、そちらはまだ申請できます。

やっかいなのは、古い名前で検索すると「受付終了」のページにたどり着き、そこに新しい事業への案内が出ていないことです。実際に公式サイトを見て確かめました。これでは「もう補助金は無い」と思ってしまいます。

この記事では、今どの事業が使えるのか、いくらもらえるのか、いつまでなのかを、公式サイトの記載だけをもとに整理します。

まず結論:探す名前は「住宅省エネ2026キャンペーン」

住宅の省エネにまつわる国の補助金は、毎年いくつかの事業がひとまとめで走ります。その2026年版の総称が「住宅省エネ2026キャンペーン」です。ここを入口にすれば迷いません。中身は次の4つに分かれています。

事業の名前ざっくり何に使えるか
みらいエコ住宅2026事業新築(注文・分譲・賃貸)と、断熱をともなう幅広いリフォーム
先進的窓リノベ2026事業窓・玄関ドアなど開口部の断熱改修(上限200万円)
給湯省エネ2026事業エコキュートなど高効率給湯器の設置
賃貸集合給湯省エネ2026事業賃貸集合住宅の小型給湯器の交換

昨年の「子育てグリーン住宅支援事業」の役どころを引き継いだのが、このうちの「みらいエコ住宅2026事業」です。名前がまったく違うので、知らないとたどり着けません。

なお、子育てグリーン住宅支援事業のほうは、公式サイトにリフォームは2025年12月31日、長期優良住宅・ZEH水準住宅は2026年2月16日をもって交付申請の受付を終了と明記されています。こちらはもう戻ってきません。

いくらもらえるのか(新築)

「みらいエコ住宅2026事業」の新築の補助額は、住宅の性能と地域区分で決まります。公式の記載は次のとおりです。

住宅の種類1〜4地域5〜8地域
GX志向型住宅(いちばん性能が高い)125万円/戸110万円/戸
長期優良住宅80万円/戸75万円/戸
ZEH水準住宅40万円/戸35万円/戸

長期優良住宅とZEH水準住宅は、建替えのために古い家を解体した場合に20万円/戸が加算されます。

「1〜4地域」「5〜8地域」というのは、国が定めている省エネの地域区分です。寒い地域ほど数字が小さく、補助額が手厚くなります。自分の敷地がどの区分かは、施工をお願いする会社に聞けばすぐ分かります。

いくらもらえるのか(リフォーム)

リフォームの上限額は、その家がいつ建ったかどこまで断熱するかで変わります。ここが今回いちばん見落とされやすいところです。

住宅が建った時期断熱の水準が高いほう断熱の水準が標準のほう
平成3年(1991年)以前100万円/戸50万円/戸
平成4年〜平成28年(1992〜2016年)80万円/戸40万円/戸

つまり、古い家ほど上限が高いという設計になっています。「うちは古いから対象外だろう」と思われがちですが、実際は逆です。

窓だけを直したい場合は、先進的窓リノベ2026事業のほうが上限200万円と大きいので、工事の中身によって使う事業が変わります。どちらを使うかは施工会社が判断します。

住宅の模型と虫眼鏡。どの制度が使えるかを調べるイメージ

締切は12月31日、ただし9月30日のものがひとつだけあります

ここは急いでお伝えしたい点です。みらいエコ住宅2026事業の交付申請の受付期間は、第2期が2026年5月13日〜2026年12月31日です。ただし公式サイトの注記に、注文住宅のうちZEH水準住宅については、第2期の受付が2026年9月30日までと書かれています。

この記事を公開している時点で、残り2週間を切っています。注文住宅でZEH水準の補助を見込んでいる方は、今日中に施工会社へご確認ください。

そしてもうひとつ、日付より先に来る締切があります。

「予算が尽きたら終わり」です。残りは公式サイトに出ています

この手の補助金は、日付が来る前に予算が上限に達した時点で受付が終わります。そして親切なことに、今どれくらい使われたかが公式サイトに%で出ています。2026年9月17日時点の申請額の進捗は、こうなっています。

事業進捗見かた
みらいエコ住宅2026(GX志向型住宅)58%半分を超えた。急いだほうがよい
みらいエコ住宅2026(長期優良・ZEH水準)31%まだ余裕がある
みらいエコ住宅2026(リフォーム)6%ほとんど手つかず。いちばん狙い目
先進的窓リノベ202624%余裕がある
給湯省エネ202644%半分近い
賃貸集合給湯省エネ202645%半分近い

リフォームが6%というのは、正直もったいない数字です。新築は住宅会社が制度を熟知しているので申請が進みますが、リフォームは施主も工事店も「今年の名前」を知らないまま夏が過ぎた、というのが実情ではないかと思います。

進捗は随時更新されますので、検討中の方は公式サイトの数字を直接ご覧ください。

申請するのは、あなたではなく「工事をする会社」です

もうひとつ、知らないと動きようがない点です。この補助金は、施主が自分で申請することができません。あらかじめ登録を済ませた「登録事業者」が、施主に代わって交付申請を行い、受け取った補助金を施主に還元する、という仕組みです。

ですから、施主側でやることは実質ひとつだけです。

  • 見積もりを頼むときに、「この工事、みらいエコ住宅2026事業の対象になりますか」と聞く

これで、その会社が登録事業者かどうかも、工事が対象になるかも、同時に分かります。登録していない会社に「申請してください」と言っても、制度上できません。

あわせて、工事の着手時期にも条件があります。公式には2025年11月28日以降に基礎工事(新築)または工事(リフォーム)に着手したものが対象です。「去年のうちに始めた工事」は対象外になりますので、ここもご確認ください。

私達の現場から

補助金の申請では、図面と写真が必ず求められます。平面図、立面図、断面の納まり、施工中・施工後の写真。これが揃っていないと、工事そのものは問題なくても、申請で止まってしまいます。

私達の現場でも、「図面が紙しか残っていない」「増築したときの図面が無い」というご相談は珍しくありません。特に平成3年以前の住宅は補助の上限がいちばん高いのに、そういう家ほど図面が残っていない、という噛み合わせの悪さがあります。

古い紙図面のCADデータ化、手描き図面のトレース、既存図の描き起こしは、私達が日常的にお引き受けしている仕事です。「補助金を使いたいが図面が無い」という段階のご相談でも構いません。お気軽にお声がけください。

まとめ

  • 2026年の入口は「住宅省エネ2026キャンペーン」。子育てグリーン住宅支援事業は受付終了
  • 新築とリフォームの本体は「みらいエコ住宅2026事業」。窓だけなら先進的窓リノベ2026(上限200万円)
  • 新築はGX志向型125万円/長期優良80万円/ZEH水準40万円(1〜4地域。建替除却で+20万円)
  • リフォームは平成3年以前の家が上限100万円。古い家ほど手厚い
  • 締切は12月31日。ただし注文住宅のZEH水準だけ9月30日予算が尽きた時点でも終了
  • 申請するのは登録事業者。施主は「この工事、対象になりますか」と聞くだけでよい
  • 対象は2025年11月28日以降に着手した工事

参考リンク