家具図面が必要になるタイミングとは?設計・見積で困らないための基礎知識

これまでの記事でも何度か紹介しておりますが、

もちろん、既製品の家具を購入されることもありますが、既製品では寸法が合わず、設置に困ることもあります。

また、新築やリフォーム、新装や改装に合わせてご自宅の雰囲気や店舗の雰囲気を重視され、より良い雰囲気づくりのために敢えてオリジナルの家具にこだわる場合もあります。

家具の図面と聞かれて、ピンとこられない方もおられると思いますが、オリジナル家具は日常生活のなかでも目にしていることがあります。

例えば、モデルルームがその代表例です。

間取りの広さを最大限に生かしつつ、かつ、部屋の雰囲気を明るくするために独自の色合いを出し、来場者が生活スタイルをイメージしやすいように家具図面を作成し、オリジナル家具を設置していることが多いのです。

ほかにもカフェやレストランなど、動線や雰囲気が重要となる店舗においてもオリジナル家具を設置していることもあります。

そこで、今回は家具図面が必要になるタイミングと設計・見積で困らないための基礎知識をご紹介します。

1. 家具図面が必要になるタイミング

既製品の家具では、部屋の広さが十分生かすことができないケースや店舗の雰囲気づくりをしているときに既製品ではイメージに合った家具に出会うことができない場合があります

そこで、オリジナル家具の製作に向け、専門の設計者へ家具図面の作成を依頼することになります。

そして、専門の設計者は施主のイメージを家具の施工者へ伝えるために家具図面を作成し、施主と施工者の橋渡しをすることになります。

1-1 自宅の新築、リフォーム

ご自宅を新築される際やリフォームされる際、オリジナルの家具が有効なケースがあります。

新築やリフォームは人生における大きな買い物の一つになりますが、既製品では間取りを最大限に生かすことができない場合や部屋のクロスの色とのバランスが悪くなることもしばしば起こります。

そこで、専門の設計者に、家具の設置場所や色合い、有効幅や動線、家具の納期など、さまざまな条件を提示し家具図面の作成を依頼することになります。

1-2 店舗の新装、改装

店舗を新装される際や改装される際も、ご自宅と同様にオリジナルの家具が必要なケースがあります。

店舗の場合は、その家具の使用者が施主だけではなく、お客様といったケースも多いためカフェやレストランなど、不特定多数の方が来られる場所では多くのオリジナル家具が使用されております。

この場合、店舗の新装や改装といった建築物の設計者や監理者と家具図面の作成を依頼した設計者は全く別の方になることが多く、現場での作業をスムーズに行うためには設計者間の打ち合わせが欠かすことのできないものとなります。

2. 家具図面とは

オリジナルの家具を発注する際、必要となる図面のことを指します。

オリジナル家具が必要になった場合、施主の多くは家具製作における知識がないため、専門の設計者や家具製作の施工者へ依頼することになります。

専門の設計者は施主の意図をくみ取るほか、設置予定箇所の事前調査や建築物の設計者との事前協議を経て、家具製作に必要となる図面を作成することになります。

家具図面と一言で表しますが、実際には平面図や立面図、断面図のほか詳細図と呼ばれるものがあり、その種類は多岐に渡ります

また、これらの図面をもとに家具を製作する図面のことを施工図面や製作図面と呼び、完成品のイメージを持って施工者が家具の製作に取り組むことができるため、施工図面や製作図面は非常に重要な役割を果たします。

2-1 施主と設計者

施主から設計者へ意図を伝え、設計者が施主のイメージを概要として表す図面のことを平面図や立面図、断面図と呼びます。

平面図や立面図、断面図はあくまで完成品のイメージに相違がないかをチェックできるよう詳細な部分は省略し、家具の素材や色、寸法や接合部分の概略を図面で表現しているものです。

また、必要に応じて3Dの図面を作成し、施主のイメージを視覚的に理解し、相互の相違を最小限に抑えるため事前のすり合わせを行う設計者もおられます。

2-2 設計者と施工者

施主と設計者の間でイメージのすり合わせができた後、設計者と施工者の間でより細かなすり合わせをする必要があります。

平面図や立面図、断面図のみで家具の製作を依頼する設計者もおられますが、これらはあくまでも概略を示した図面に過ぎず、納品後、施主のイメージと異なる完成品になることや設置後、当初の計画どおりに動線が確保できない事態が生じるなど、さまざまな問題が起こることもあります。

施工者へ正確に意匠伝達を行うためには、平面図や立面図、断面図をもとに施工図面や製作図面が必要となります。

施工図面や製作図面は、現場で起こりうるトラブルを未然に防ぐために、施工者が必要とする情報をより詳細に図面に落とし込み、施主と設計者、施工者の間における意識の相違を最小限にとどめることが可能となります。

3. 設計・見積で困らないための基礎知識

設計者によっては、施工図面や製作図面のプロセスを省略し、最初に作成した平面図や立面図、断面図などをもとに施工者へ意匠伝達をすることもあります。

しかし、平面図や立面図、断面図のみをもとに施工者が家具を製作する場合、その施工者の想像力や過去の経験、持っているスキルや知識に依存する局面が多く発生し、結果的には施主のイメージを再現した完成品にならないことになります。

そこで、設計や見積を依頼する段階で最低限、必要となる基礎知識は持っておくことをお勧めします。

3-1 設計の基礎知識

設計の段階で困らないための基礎知識として持ち合わせておくべきものは、やはり図面の種類です。

誰のために作成する図面になるのか、その図面はどの時点で必要になるのか、といった種類と目的を知っておく必要があります。

平面図は、家具を真上から見た際、寸法はもちろんのこと、その家具の扉や引き出し、装飾品などを輪切りの状態で見ることのできる図面を指します。

立面図は、家具を横から見た際、平面図と同様に寸法や扉、引き出しの位置などを見ることのできる図面を指します。

断面図は、家具を縦向けに切断したと仮定し、その中身を横から見ることのできる図面です。

一方、施工図面や製作図面は、平面図や立面図、断面図をもとに作成される図面のことを指し、壁や床の数ミリの歪みなどを想定し、適切な空間(逃げ)を配慮した図面のことを指します。

また、オリジナル家具の製作に多くありがちな特殊な接合部分の工法なども施工図面や製作図面に反映することにより、施工者が設計者の意図を見落とすリスクが激減します。

3-2 見積の基礎知識

見積の際、困らないための基礎知識として持ち合わせておくべきものは、その家具図面の種類が何を指しているのかという点です。

前項でも書いたとおり、図面には複数の種類があるため、必要な家具図面の種類に齟齬が生じる恐れもあります。

特に施工図面や製作図面の作成は、設計者によって必要と考えられる場合と不要と判断される場合があり、見積の段階で必ず確認をしておきましょう。

また、逆に施工図面や製作図面に特化した設計者の場合、コストの側面を無視し、過剰な図面の作成をすることもあります。

したがって、設計者とのコミュニケーションが、やはり重要となります。

見積の内訳書をご覧になった際、不明な部分は必ずありますので、不明なままにしておくのではなく、ご自身が納得されるまで質問し回答が得られるようにしましょう。

家具図面の作成を依頼される場合は、図面の種類やコスト面、現地調査の回数や修正回数など、多くの要素を総合的に判断し、かつ過剰な仕様を提案されないようヒアリングを行う必要があります。

4. まとめ

オリジナル家具を発注する機会は、一生に何度もありません。

今回は、家具図面が必要になるタイミングと設計・見積で困らないための基礎知識をご紹介しましたが、その1回で失敗をすると「一点物」にこだわる意味がなくなることになります。

しかし、あまりこだわりを強く持つと、コストの面や納期の面でご自身の要望が通らないことにもつながりかねません。

したがって、家具図面の作成を依頼される場合は、その設計者の実績や得意とする分野を事前に調べておくことをお勧めします。

家具はご自宅や店舗といった建築物とは異なり、少しのミスが生活や接客に大きな影響を及ぼすことにもつながります。

そのような失敗がないよう、十分な時間的余裕を持つことと設計者とのコミュニケーションやフィーリングを意識しましょう。