皆さんは、家具図面を外注されたことはありますか?
家具図面は、その名のとおり、オーダーメイドの家具を製作するための図面になりますが、その家具の種類や用途は様々です。
ご自宅を新築や改築される際、設置予定の部屋の間取りに合ったサイズのタンスを製作することもあります。
また、店舗の新装や改装の際、カウンターやテーブル、椅子や据え付けの棚をオーダーメイドで製作することもあります。
そして、施主は家具図面を作成できる設計者に依頼し、自身の希望を伝え、その図面をもとに施工者が家具を製作することになりますが、少しの意識の違いにより取り返しのつかないミスを誘発することもあります。
そこで今回は、家具図面をCADで描くときの注意点と納まりミスを防ぐためのチェック項目を紹介したいと思います。
1.単純な思い込みによるミス

家具図面に限ったことではありませんが、CADを使用して図面を作成する際、単純な思い込みによるミスは必ず起こるものです。
これを防ぐにはシンプルですが必ず自分が作図した図面をチェックする際常に疑いの目をもってチェックしましょう。
自分が作図した図面を疑うというのはおかしな話ですがこういう意識を持つことにより意外と気づける事はあります。
設計者が施主からのヒアリングの際、勘違いから生まれるイメージの相違
起こりやすいミスの原因として挙げられるものの一つに、設計者が施主からヒアリングをした際、イメージが相違していることです。
オーダーメイドの家具を発注する方、その発注者から依頼され図面を作成される方。
先ほども申し上げた通り、どちらも人間です。やはり相手の気持ちを全て汲むことは難しく、お互いのイメージがピッタリ合うことはありません。
施主も設計者も悪くはなく、言葉と言葉でのコミュニケーションによるイメージの相違は必ず起こるものです。
家具図面をCADで描くときの重要な注意点には、それぞれの立場で少しずつ違いはあるものとした前提に立ち、お互いが事前の確認は怠らないようにする必要があります。
施工者が設計者のイメージを理解しないケース
施工者がベテランであっても、設計者のイメージを理解できないことが起こります。
建築の世界では、意匠伝達と呼ばれるイメージのすり合わせを行うプロセスがありますが、意匠伝達が完璧であってもイメージ通りに完成しないことがあります。
設計者と施工者間で重要なポイントがどこになるのか、図面では描ききれない補足はどの箇所になるのか等のコミュニケーションが図られていると大きな問題にはなりません。
2.納まりミスを防ぐチェック項目

CAD図面をもとに家具を製作した後、頻繁に起こる事象が「納まりミス」です。
「納まりミス」とは、
- 完成後の家具を部屋へ運ぶ際、搬入路が狭い
- 完成後の家具を部屋へ設置した際、部屋の扉や隣接する家具と干渉し合う
- 完成後の家具を予定していた場所に設置した際、コンセントやスイッチが隠れる
- 完成後の家具を予定していた場所に設置した際、部屋の巾木が干渉し、壁と家具の間に数ミリの空間が生じる
などがあります。
これらの納まりミスが起こる原因は、設計者が間取りの設計図を把握せず、図面を描いたことや施工者が設計図の読み間違いを起こすこと、そして何よりこれらの偶発的なミスが重なり合うことです。
施主のイメージ通りの家具が完成したとしても、これらの納まりミスが生じることにより、大きな修正や手戻りが発生することになります。
その結果、工期に間に合わず不測の事態に陥ることにもつながります。
そこで、このような納まりミスを防ぐためのチェック項目を紹介します。
既存の建物に家具を納める場合は、建物の実寸を事前に測定する
既存の建物に家具を納める場合は、すでに搬入路や設置場所が決まっておりますので、家具図面を設計する前に現地の実寸を測定することが可能です。
つまり、イメージのみで家具図面を作成するのではなく、階段の角度や廊下の幅、設置予定の場所にコンセントやスイッチがないことを確認できるのです。
もちろん、このチェックをするためには、施主の協力が必要となりますが、納まりミスを防ぐためには重要なプロセスになります。
自宅や店舗の設計図書を事前に把握する
自宅の新築や改築、店舗の新装や改装の場合、現地の実寸を測定することはできません。
しかし、家具の設置場所は決まっているため、建築物の各種設計図書を事前に把握することはできます。
もちろん、単なる平面図や立面図だけではなく、施工図面がある場合は、詳細図も読み解き、家具図面に反映することが可能です。
このプロセスを踏むことにより、現地と家具の間に大幅な乖離が生じることはなく、納まりミスを防ぐことができます。
施主と設計者間で綿密なコミュニケーションを図る

現地の状況を把握した設計者は家具図面を作成することになりますが、図面の作成段階で施主の希望に沿えないこともあります
そこで、設計者は施主に対し、別の選択肢やアプローチ手法(例えば、2階に搬入する場合、クレーンを使用して窓から搬入する、家具のサイズを搬入可能なサイズに分割する等)を提案することができます。綿密なコミュニケーションを図ることにより納まりミスを防ぐことはできます。
設計者と施工者間で綿密なコミュニケーションを図る
家具図面をもとに施工者が家具の製作にとりかかる前に、気を付けるポイントや図面に描ききれなかった詳細を伝えることが必要です。
設計者は自身のイメージを頭に持っておりますが、言葉で伝えることにより施工者のイメージが具体的になることもあります。
設計者と施工者間の綿密なコミュニケーションは家具図面を家具そのものにつなげるための重要なプロセスになります。
家具の完成前に施主、設計者、施工者の3者で最終調整を図る
納まりミスを防ぐことは重要なことですが、最終的にはやはり施主の希望通りの家具が完成しているか否かが最も重要なことになります。
そこで、完成前には一度、施主、設計者、施工者の3者で家具そのものと設置場所の調査も含む調整を行うことが重要です。
設置場所と完成前の家具を比較しながら、出来ることと出来ないことを明確にし、施主が納得できる完成品に仕上げられるよう最終調整をしておくことをおすすめします。
まとめ
今回は、家具図面をCADで描くときの注意点と納まりミスを防ぐチェック項目を紹介しました。
CADの技術が進化し、近年は機械的に図面を描くことが可能になりましたが、その一方で現地との乖離やヒューマンエラーが多く発生することにもつながっております。
今回、紹介した注意点やチェック項目を事前に知っておくだけでも大きなミスを防ぐことはできます。家具を気持ちよく使用できるよう、施主、設計者、施工者の視点を同じところにしておきましょう。
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